修理実録~ロレックス~
こんにちは☺
今日は当店に持ち込まれる修理品の中でも依頼の多いロレックスについてご紹介したいと思います。
言わずと知れた高級時計の代名詞、高級時計といえばまずロレックスが思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか☆
今回お持ち頂いた依頼品はある日突然動かなくなった。
10年程のご使用でオーバーホール歴はなしとの事・・・
拝見したところ原因は一目瞭然でした。
上の画像はロレックスの動力である「ゼンマイ」です。
香箱と呼ばれる中が空洞の歯車の中に長いゼンマイがぎゅ~と巻かれて収められているんですが…
切れてますね^^;
写真右側「芯」の方にわずかにゼンマイが残っています。
この状態では芯だけがクルクル回ってゼンマイが巻かれず一向に時計は動き出しません。
機械を洗浄後ゼンマイを交換し歯車を組みました♪
↑こちらは文字盤、針がつく側の写真です。
いくつかの歯車を組んでいき・・・
カレンダーのディスクを載せます☆
文字盤を付けると一気に時計になりましたね♪
ビシっと針付け!!
これに自動巻のブロック部分を載せれば一旦は完成です。
ケースに収めた後は動作のチェック、ランニングテストに入ります。
ゼンマイ切れの原因ですが、これは「経年劣化」です。
使い方が原因ではないのですが10年程ご使用になりノーメンテナンスという事だったので部品にもガタが出てくる時期だったという事になりますでしょうか☆
普段つけている時計が急に動かなくなるとビックリするし困りますよね^^;
でも個人的には良いことだとも思います。
どういう事かというと・・・
ロレックスは一つ一つの部品が綺麗でしっかりと作られていて大変素晴らし時計です。
素晴らしくしっかりしているがゆえにオーバーホール時期を過ぎ、油が切れた状態でも時計は問題なく動いてしまいます。(+_+)
愛用者はオーバーホールが必要と分かってはいても期間と金額がかかるうえに全く異常もない。。。
そういう状態でそろそろ時期だからとメンテナンスされる方は少ないように思います。
でもゼンマイが切れたら全く動かなくなるため修理に出すしかなく、そのタイミングで中をしっかりチェックし綺麗にオーバーホールされます。
一見問題なく精度にも異常がない。
しかし油が切れた状態では確実に部品の摩耗が進行していき部品そのものが痛んでいきます。
傷んだ部品は洗浄や注油では元通りになりません。
その時になってオーバーホール料金のほかに高額な部品代がかかることも珍しくありません。
今回はゼンマイ交換、オーバーホールだけで済みましたが、ゼンマイが切れた衝撃で歯車の歯先が折れてしまう事も多々あります。
当店ではロレックスのお時計に限りオーバーホールの基本料金に特殊なモデルを除きゼンマイ交換が含まれてます♠
しっかり造られたお時計はメンテナンスをし、大事に使うことで子供、孫へと受け継いでいくことも可能です。
大事なお時計にずっと元気でいてもらう為に定期的なメンテナンスと
嫌なことがあっても投げたり濡らしたりせず優しく接して下さい(笑)